T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

読書の時間 「おちび」

  こんにちは。

 T・たまもです。

 今日ご紹介するのは小説です。

 作者は美術家でもあり、挿絵も作者が描いています。

 

エドワード・ケアリー「おちび」東京創元社

 

 マダム・タッソーがフランス人だったとは知りませんでした (正確に言うとフランス生まれのスイス人らしい)。

 よく考えると、タッソーって、たしかにイギリス人らしくない名前ですね。

 その、後のマダム・タッソー、マリー・グロショルツの一生を描いた物語。

 マリーは蝋人形の制作技術ゆえにサバイバルしていきます。

 史実とは多少違うフィクションももちろん入っているようですが。

 分厚い本でしたが、楽しい文体とわくわくする筋立てで、ぐいぐい読めました。

 
 フランス革命期の話なので、ルイ十六世ファミリーが主人公の身近に登場します。

 私は実はルイ十六世がお気に入り。

 平和な時代だったら、王様らしくないいい王様だったろうに、と、この時代のお話を読むたび思います。

 でも、彼は乱世を渡れる人ではない。

 彼はルイ十六世であるが故に死ななくてはならないのでした。