こんにちは。
T・たまもです。
昨日の続きです。
「コンコルドの誤り」という評論を取りあげています。
コンコルド開発とその商業的失敗に由来する心理現象。
その心理現象とは、
「投資を続けることが損失につながるとわかっているのに、それまでの金銭的精神的時間的投資を惜しんで投資を続ける状態」
とでもいいましょうか。
人間にはあるあるな状態ですよね。
株の損切りが出来ないとか。
恋人に貢ぎ続けるとか。
まあ、もしかしてもしかすると株は再び値上がりするかもしれないし、恋人は振り向いてくれるかもしれない。
実際には、株は値下がりを続けるし、恋人は他の人と結婚するのですけど、人間はなるべく自分に都合の良い未来を予想したがり、その未来にさらに投資してしまう。
私は一番簡単な例として「ボタンの掛け違い」をあげていました。
「あとちょっとでボタンがかけ終わりそうになったとき、掛け違いに気づいたら、もったいないと思ったことない?なんだったら、いちおう全部掛けてみたりして」
「先生、それはないよ、せっかくここまで掛けたのにとは思うけど」
「そう、その『せっかくここまでやったのに』ってヤツなのよ」
ボタンの掛け違いくらいなら、舌打ちすれば済む。
では1000万円の損失なら?
一方、筆者によれば、生物は、たとえば求愛行動(メスに貢ぎ物をするとかね)においてメスが無視し続けるのなら、ある時点で他のメスにのりかえるそうです。
その意志決定の基準は「未来の見通し」であって、「過去の投資」ではない。
「今までさんざんコイツに貢いだんだからもったいない」
などとは考えないのだそうな。
つづく。