こんにちは。
今日は久しぶりに読書の時間です。
今日ご紹介する本は小説。
直木賞を受賞した「赤目四十八瀧心中未遂」にしようかとも思ったのだけれど、フィクションとして完璧な構成を持つ「赤目・・・」より、車谷さんぽくていいかなと思ったのです。
というのは、車谷長吉という方は、かつて朝日新聞で人生相談の回答者をなさっていたことがありまして、その回答ぶりが私はお気に入りだったのです。
回答の端々に出てくる家族や自分の人生遍歴の奥深さ。
それ故か「人生はまず苦しいものと心得よ」という諦念の説得力。
「がんばれ」とは絶対に言わない、ことによると「我慢だけが人生だ」と突き放す。
エライ人にはもちろんこびず、マズシイ人にもアワレな人にもこびないところが良いのでした。
この作品にも、地面に這いつくばっているようで浮き世離れしている感があります。
確か何年か前に亡くなったなあと思って、今調べてみました。
ウィキによるとイカを丸呑みして窒息死なさったんだそうです。
最期まで、車谷さんらしいのでした。