T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

昨日ハグした相手を今日はナタで殺す・・・読書の時間「生かされて。」

  こんにちは。

 T・たまもです。

 今日ご紹介する本は、ノンフィクション。

 

イマキュレー・イリバギザ、スティーブ・アーウィン「生かされて。」PHP研究所

 

 1994年、アフリカ・ルワンダでの大虐殺を生き延びた女性の手記です。

 映画「ホテル・ルワンダ」でもこの虐殺は扱われていますから、お話くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。

 以前、「民族」というのは、本人たちがそう思っているから「民族」になるのだ、と言う説を本で読みました。

 住む土地も、言語も、宗教も同じ、近所づきあいどころか通婚もある。それでも、○○族、××族、と本人たちが称している以上、ちがう民族になるのだ、と。

 昨日ハグした相手を今日はナタで殺す・・・。

 「ちがう民族」であるだけで、「殺す」対象になってしまう。

 いくらそれまでの歴史的経緯があるにせよ、すさまじいとしか私には言えません。

 100日間で100万人が殺されたそうです。

 著者のイマキュレーさんは、殺される側の民族の人。

 壮絶、なんて言葉で片付けてしまうのは著者に失礼なくらいなのだけど。でも、壮絶という表現しか思い浮かばない。

 魂のレベルがちがいます。

 正気を保てただけでもすごいのに、この精神力はどこから来るのだろうと思います。