T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

読書の時間~「ある奴隷少女に起こった出来事」

こんにちは、T・たまもです。

今日は本を紹介しましょう。 

 

ハリエット・アン・ジェイコブス著「ある奴隷少女に起こった出来事」新潮社

昨年、新聞の書評で興味を持って、つい最近読んだもの。
書評でも「すごい」と書かれていましたが、本当にすごい本です。
19世紀、まだ奴隷制があったころのアメリカでのお話。実話です。

日本人の私にとって、アメリカの奴隷制は、正直言って歴史の一部に過ぎません。
でも、おそらくアメリカ人にとってはいろいろな意味で「癒えない傷」なのでしょう。
きっとこのお話のような出来事がアメリカ中であったのでしょう。
それがいつまでも「癒えない」一因なのだろうと思いながら読んでいました。

主人公のリンダ(著者の偽名)は、聡明で強靱な精神の持ち主。
なによりも「魂の格」が高い女性です。
すさまじい半生、なんて紋切り型ではありますが、それが最もふさわしい表現でした。
手記ではなく小説と思われたのも、むべなるかな。