T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

挑発的な題名です・・・読書の時間「男流文学論」

 こんにちは。

 T・たまもです。

 今日ご紹介する本は、評論。

 

上野千鶴子小倉千加子富岡多恵子「男流文学論」筑摩書房

 

 挑発的な題名です。

 まあ、著者がこのお三方ですからね。

 賛否両論を巻き起こした話題の本でしたが、私はとても面白く読みました。

 吉行淳之介

 島尾敏雄

 谷崎潤一郎

 小島信夫

 村上春樹

 三島由紀夫

 を取りあげています。

 どの作家についても痛快なまでにこき下ろしています。

 実は、私、吉行淳之介を読んだとき、

「あんまり面白くないなあ」

 と、思ったのです。

 好みじゃない、というか。

 私ばかりではなかったというのを知って、なにやらほっとした記憶があります。

 私が読んだのは1992年版ですから、初版になるのかしら。

 

 それから30年近くたつわけですが、時代遅れになっているや否や。

 アマゾンのレビューでは、「下品」と書いている方がちらほらおられましたが、文学から性愛を除いたら、スカスカになっちゃうでしょう。

 三島由紀夫のくだりで、

「男が肉体を発見する仕方はマゾヒズムの中にある」

 という一文があり、私はなるほどと思ったものです。

 もしも、男性が

「愛される=受け身」、

「愛する=働きかけ」

 という意識を持っているとすると、女性にも応用して幻想抱いちゃうんだろうなあ、と。

 もちろん、そうでない男性もいると思いますよ。

 念のため。