こんにちは。
T・たまもです。
今日ご紹介する本は、何というジャンルになるのでしょう。
図書館の分類番号は613です。
でも、農業の指南書と言うよりはサクセスストーリーのような趣があります。
ゲイブ・ブラウン「土を育てる~自然をよみがえらせる土壌革命~」NHK出版
原題は「Dirt to soil」。
ただの土砂から豊かな土壌へ、というところでしょうか。
著者は、朝日新聞の「不耕起」をテーマにした特集記事に出ていたゲイブ・ブラウンさんというリジェネラティブ(環境再生型)農家。
畑なのに「不」耕起ですよ?
植えた草を刈り取ってほったらかすんですよ?
その農法でやせた土地が沃土によみがえるって、どういうこと?
根菜をどうやって育てるの?
有機農法とどう違うの?
と、記事を読んでも疑問がたくさん湧いて、本を読んでみたというわけです。
結論から言えば、
「なるほど」と、
「やっぱり」の連続でした。
「なるほど」
というのは、
「工業型農法を続けて土地のやせた低収益農家を健全で収益力のある農家に再生させた」
ストーリーに。
「やっぱり」
というのは、私が日々感じていたことに裏付けがされた気がしたから。
以前お話しした気がするのですが、駅前の花壇には桜の木と、季節の草花が植えてあります。
そして、桜の落ち葉はいつもきれいに掃き清められています。
季節の変わり目にはそれまで植えてあった草花は雑草を含めすべてきれいに抜き取られて、次の花が植えられます。
私は、桜の木の根元の、また、植え替え前のむき出しの土を見るたび、なんか違うんじゃないかと思っていました。
石畳の上は葉っぱひとつない方がいいかもしれません。
けれど、土の上には葉っぱがあった方が、むしった草を置いておいた方が、肥料になるんじゃないかと思っていたのです。
それがどうでしょう!
肥料になるどころか、土の中の生態系にまで好影響があるなんて!
もしも自分の庭を持っていたら、ぜひやってみたい。
多様性と可能性に満ちたリジェネラティブ農法。
カオスの園、いいなあ。
まあ、いくら既存の農法より仕事が楽になると言ったってね・・・。
日焼けを恐れるバンパイアたまもとしては、妄想にしかならないんですけどね・・・。