こんにちは。
T・たまもです。
昨日の続きです。
谷村新司の「いい日旅立ち」と、浜崎あゆみの「Boys & Girls」の歌詞を比較分析するという教育実習生の授業の話でした。
授業の後、実習生ともう一度歌詞を見てみました。
細かく見ると、「いい日旅立ち」の主人公は、旅だった先に「待っている人」がいる、つまり苦労はしてもさがした甲斐がある未来があることを確信しています。
一方、「Boys & Girls」の「僕達」は少し怯えています。
「輝きだした」「はばたきだした」自分たちが、今何でもできるしどこへでも行けるとわかってはいても、はたして本当に期待に見合った未来なのかどうかには不安があります。
「夢に見ている」ことが現実になる保証なんてどこにもありませんからね。
でも、その不安感が若い人の美しさの一部であることも確かです。
そう考えると、歌っている山口百恵も浜崎あゆみも発表当時20歳前後の若い女性であるにもかかわらず、歴然とした違いが出るわけです。
そう、「いい日旅立ち」の老成感は、山口百恵のイメージというより、歌詞そのものの老成感。
ぶっちゃけて言えばおじさまが書いた詩なのです。
若い女性が歌うことでみずみずしさが加わったと見るべきでしょう。
「Boys & Girls」は、浜崎あゆみ自身の詩。
若者の持つ、というより、持て余すまでの無限の可能性、生命感、同時にまだ経験しない未来への漠然とした不安感を等身大に描いている。
若者にしか書けない、若者にしか歌えない歌詞と言えます。
郷ひろみならイケるかな?
布施明や和田アキ子なんかだと、それはそれで味はあるかもしれませんね・・・。
なんてことを、彼女と話したことを、懐かしく思い出したのでした。