T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

「客ぶり」は会話でわかる

こんにちは。

昨日はお茶会がありました。私は、お客様を迎える主催者側での参加です。

くたびれて、ブログをサボったT・たまもです。ごめんなさい。

 

ということで、今日は「会話」について。 


 お茶会では席主(茶席の主催者)と、正客(最も上座に座る主賓)との間で問答が行われます。
 ある程度聞くことや聞く順番は決まっていますが、基本的にその場の室礼(部屋や道具の組み合わせの趣向)を見て、正客が質問をし、席主が答えます。
 他のお客は直に席主と会話をしないので、お客の代表として皆が興味があるだろうことを問答するのです。


 今回、私がお点前(お茶を点てる役)をさせていただいたとき、正客をつとめて下さった方は、物腰の柔らかい、ロマンスグレーの紳士でした。
 席主である私の先生と和やかに問答しながら、緊張で引きつる私と目が合うと、「大丈夫」といわんばかりにうなずいて下さって、おかげで落ち着いて点前を進めることができました。
 席主の趣向の工夫を引き出す的確な質問をされていて、造詣の深い方という印象です。
 点前の最後の方で、手順を決まりと変えたところがありました。そのことも、すぐに質問がありました。
「点前が緊張しておりますので、粗相の危険を回避するためにわざと変えました」と、
席主が理由を客全員に説明しましたが、説明させるために質問したんだな、と、私は思いました。


 「客は神様」とばかり、いろいろなところで無茶な要求をする人も世の中にはたくさんいます。
 でも、本来、客は会話を通して、店主の思いや工夫、そして商品の価値をくみとっていくものなのだと思います。
「会話」「問答」をして、より理解が深まっていく。そんな会話をしたいものです。