T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

虎の威を借る狐 その1

  こんにちは。

 T・たまもです。

 今日は、漢文を取り上げたいと思います。

 

 虎求百獣而食之、得狐。

 狐曰、「子無敢食我也。天帝使我長百獣。今子食我、是逆天帝命也。子以我為不信、吾為子先行。子随我後観。百獣之見我而敢不走乎。」

 虎以為然。故遂与之行。獣見之皆走。

 虎不知獣畏己而走也。

 以為、「畏狐也。」

 

 短いので、白文を書いてみました。

 この「借虎威」は、漢文の入門期に良く扱う教材です。

 お話もわかりやすいし(白文でもなんとなく何言っているのかわかりませんか)、キャラもたっているので、授業のしやすい教材と言えます。

 文法的にも、置き字があり、禁止、使役、反語の主要な語法が出てきて、問題も作りやすい。

 「借」の字は「仮」と書くテキストもあります。

 また、いちおう句読点やカギ括弧は入れましたが、これらも本来は訓点ですので、訓読の仕方によっては句読点の位置が違います。

 そういえば、予習として書き下し文を書いてくるように指示すると、ちゃんと教科書を見て自力でやればちゃんとできるものを、わざわざ参考書とかネットとかで教科書とはちがう訓読の書き下し文を書き写してくる生徒がかならずいましたっけ。

「現代語訳は参考にできるけど、書き下し文は教科書と違う訓読をしていることも多いから書き写すのは危険だよ」と注意するにも関わらず。