T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

運命と時代にあらがう女は・・・読書の時間「蔵」

  こんにちは。

 T・たまもです。

 今日ご紹介する本は小説です。


宮尾登美子「蔵(上・下)」毎日新聞社

 

 これは、ずいぶん前に浅野ゆう子主演で映画化されていました。

 といっても、小説の主人公は浅野ゆう子が演じた役ではありません。

 主人公である盲目の美少女・烈は、一色紗英が演じていました。

 今、ウィキを見たら、そもそもは宮沢りえが演じるはずだったけれど、クレジットの順番でもめて降板したそうな。

 ナルホド、何か違和感があったのはそのせいだったのですね。

 テレビドラマでは檀ふみが演じていた烈の叔母・佐穂のほうが、陰影に富んだ難しい役だから「主演」なのかな、と当時は勝手に思っていたのですが。

 

 烈という名にふさわしい勝ち気で気位の高い性格、そして一途な行動力。

 逆境にめげないすごい生き方。

 読みながら、一歩間違えば視覚障害者への差別になるのではないかと心配したくらい。

 モデルはないそうですが、とてもリアルなお話でした。

 宮尾登美子の小説は、そういえば逆境に生きる女性が主人公であるものが多いような気がします。

 でも、耐えるだけではない、闘う姿がかっこいい。

「なめたらいかんぜよ」というキャッチフレーズの映画も、原作は宮尾登美子の小説でしたっけ。