こんにちは。
T・たまもです。
今日ご紹介する本は小説。
宮尾さんと言えば、自伝的な小説をはじめとして、以前ご紹介した「蔵」のような、封建主義と近代化の狭間に生きる日本女性を描いた作品が多いですね。
激動の時代に立ち向かう女性という点では、共通しているのかもしれません。
あ、そうか、わたし好みなのか。
この作品はそもそも朝日新聞の日曜版に連載されていたものです。
ゴージャスな挿絵がこれまたわたし好みで、毎週楽しみにしていました。
単行本化されたときは、「一度読んでるし、いいよね」と、スルーしていました。
が、ずいぶん加筆修正されていると聞いて、ずっと気になっていたのです。
プトレマイオスといえば、アレクサンドロス大王の側近のひとり。
その人がプトレマイオス朝の最初の王だと知ったのは最近のこと。
手塚治虫のアニメや、エリザベス・テイラー主演の映画で大方の一生は知っていたものの、「美貌で英雄たちを惑わせた」イメージが強い女性でした。
シェイクスピアの戯曲もそうですが、まあ、悲劇を強調したいためではありましょうが、クレオパトラの女性性がなんだかな~の記憶。
美貌だけで男は落ちるものか?
落ちたとして、ピロートークで国家の行方が左右されるとしたら、なかなか怖ろしい話です。
この作品中のクレオパトラは、「美貌」も、強力な武器であることは知っているから磨き上げるけれど、武器のひとつでしかないこともわかっている切れ者です。
そうでなきゃ、のしあがれないよね。