こんにちは。
T・たまもです。
今週は「コンコルドの誤り」という評論を取りあげています。
昨日は、「過去の投資がもったいなくて、損切りできずに投資を続けてしまう状態」についてお話ししました。
生物は「現在」と「現在の行動で起きる未来」しかないのだけれど、人間にはそれ以外に「過去の行動が起こすはずだった未来」が加わるから厄介なことになるのですね。
もちろん、「あきらめない」努力は人間にとってはとても大切なことなのですが。
オスが無視されても無視されてもがんばって同じメスに貢ぎ続けるのを、人間と同じに考えてはいけないと筆者はクギを刺します。
かれらは「今までの努力を無駄にしないために」あきらめないのではなく、何かしらの「見通し」があるか、もしくは「他にオプションがない」からと考えるべきだ、と。
人間は「歴史」や「文化」(つまり過去の遺産)を持っているゆえに、将来性がないとわかっても過去の手段、過去の思考、(つまり過去の投資)を捨てることがなかなか出来ない。
筆者は
「誤った作戦でたくさんの兵が死んだのに、それらの死を無駄に出来ないと誤った作戦を続ける」、
「科学者が自分の過去の理論を打ち崩す斬新な仮説を受け入れられない」
という例をあげています。
「コンコルドの誤り」は、人間特有の誤りです。
というのが結論なのですが、なぜ人間がそのような誤りを犯すのか、その思考形態の謎を次の課題として文章は終わります。
最後に作文など書かせると、面白い例が出たりします。