T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

人は見かけによらない・・・? 読書の時間「谷崎潤一郎文学の着物を見る」

 こんにちは。

 T・たまもです。

 今日ご紹介する本は、評論?

 着物本のコーナーにありましたが。

 

大野らふ・中村圭子「新装版 谷崎潤一郎文学の着物を見る」河出書房新社

 

 文学でなくても、

「服装=自己主張」

であることはまちがいない。

「センスがない」

とか、

「着るモノにかける金がない」

とか、言い訳自体がそういう主張になってしまう。

 そのことは皆さまうすうすわかっていらっしゃるでしょう。

 「人は見かけによらない」

ということわざは、いかに見かけ通りの人が多いか、または見かけに左右される人が多いか、の証左でもあります。

 で、いやしくも一流の文学ならば、

「登場人物の服装がそのキャラクターの描写のひとつになる」

こと、もしくは

「その状況の中での立場を表すものになる」

ということは自明です。


 谷崎潤一郎といえば風俗描写には定評のある文豪。

 この本を読むと、とくに女性の服装に関しては、とっても緻密なスタイリングをしてることがわかります。

 なのですが。

 うっとりしながら私が思ったことは、

「谷崎センセイがヘンタイなのはもちろん知っているが、女たちもヘンタイなのか?」

という、失礼な疑問でした。

「否、谷崎センセイに合わせてあげてるのであろう」

と言うのが結論です。