こんにちは。
T・たまもです。
今回紹介する本は、小説。
アンソロジーです。
紀田順一郎・東雅夫編「日本怪奇小説傑作集(1)~(3)」創元社
怪奇小説、なんていうとB級ホラーと思ってしまいますが、やはり一流どころの作品は違います。
怖い、だけじゃない。
でもやっぱり怖い。
分類するなら怪奇小説になってしまうよね、とは思います。
人と、人でないものと、それぞれの思惑(人でないものの理屈は人とは違うから、思惑という表現は違うのかもしれない)が、絡み合い、よじれてゆがんでいく。
人でないものにとっては、ゆがんでいるわけではないのかもしれません。
だから怖いのだと思う。
しかも、人でないもの、というのはちゃんと自分は異類であると自覚しているものばかりではありません。
見かけは人であったり、自分は人であると思いこんでいたり、人が何かの拍子に人でなくなったりしたり、さまざま。
人の方も、人でないものへの対し方はそれこそさまざま。
文学者にとっては、一度は書いてみたい分野ではないでしょうか。
もしくは、書いてみた結果、怪奇小説だったと言うこともありそうな気がします。