こんにちは。
T・たまもです。
今日ご紹介する本は、ノンフィクション。
太平洋戦争末期、沖縄戦で、ゲリラ戦の兵士となった護郷隊を中心にした証言集です。
新書なのに、「辞書?」と思うくらいの分厚さで、読み切れるだろうかと不安になったくらいです。
でも、インタビューがほとんどを占めているので、さくさく読み進めることができました。
ひめゆり部隊の証言ほど生々しさを感じません。
当時少年だった語り手たちが肉弾戦を当然のことと受け止めているせいでしょうか。
戦後70年を経て、自身の中で神話化している方が多いせいかもしれません。
以前、沖縄戦に関する本を読んでいたとき、
「殺せ、死ね、という教育」
と、当時を表現した言葉がありました。
その時は、ちょっと過激な表現だなあ、と思った記憶があります。
でも、おそらく、それが沖縄の人々の実感なのでしょう。
誤解を恐れずにいえば、軍隊にとって、住民は予備役の兵士であり、備蓄庫です。
それは、世界どこでも同じことでしょう。
「国土戦は、国民の自発的協力を不可欠なものとする遊撃戦、つまり沖縄戦のような戦いを出現させるだろう」というのも、世界中同じ。
沖縄の人々は、直感しているのだと思います。
「沖縄では戦争はまだ終わっていない」
という言葉を現実的に感じる本でした。