こんにちは。
T・たまもです。
今日ご紹介する本は、小説。
社会派です。
誰もが題名は知っているといっても良い有名な作品ですね。
高峰秀子と田中裕子の映画があるほかに、テレビではアニメを含め8度も映像化されているそうです。
政治の中心地で行われていることなど全く関係のないような、貧しい平和な村の生活がじわじわと、それとは知らずちゃんと’政治’に巻き込まれていく。
庶民が知るのは、目の前に出てくる現象(例えば「不況」だとか、隣の旦那が「兵隊に取られた」とか、)だけだし、それがなぜ、なにがどうして、どこへつながるのかとは考えません。
それを考えるのはそういう仕事をしている人だけがすること、むしろ庶民は考えてはいけなかったのかもしれません。
大石先生が子どもたちを前に
「この瞳をどうしてにごしてよいものか!」
と思ったときから物語は回り始めます。
いくつもの瞳がかげり、また光を失っていきます。
これらの瞳は、庶民の象徴なのでしょう。