こんにちは。
T・たまもです。
今日ご紹介する本は、いちおう小説に分類するらしいです。
シャルル=ルイ・ド・モンテスキュー「ペルシア人の手紙」講談社
私がモンテスキューを読む日が来るなんて、思いもよりませんでしたわ。
書評によれば、新訳だし、虚構の書簡集という形を取っているので読みやすいということなので手に取ってみたわけです。
ここのところフランス文学づいているので調子に乗っているのです。
で、読みやすいのは間違いありません。
書簡形式といえば、「あしながおじさん」が有名ですね。
あれは主人公ジュディ一歩通行の手紙で返事はありませんが。
こちらは複数人がやりとりしていています。
フランス文学は主筋から脱線しまくるイメージが強いのですが、これも例外ではありません。
謎めいたところも、複雑難解な文章も、歴史的背景を知らないと良くわからない部分も多かったのですが、結論から言うと面白い。
外国人から見たフランス、というだけでなく、たぶん、いろいろなことを相対化して観察している感じが面白いのだと思います。
政治や社会や宗教だけでなく、最終的には男女も相対化されて、主人公のユズベクが一番愛していた、そして愛されていると思っていた女性を誤解していたことに読者は気づくのですから。
二十一世紀に通じる普遍的な内容も多くあって、すごく新鮮でした。