こんにちは。
T・たまもです。
今回は宮沢賢治の「なめとこ山の熊」を取り上げてみましょう。
宮沢賢治の作品では、詩「永訣の朝」、小説「セロ弾きのゴーシュ」「なめとこ山の熊」あたりが、高校国語の教材としては定番です。
小学校では「オッベルと象」とか見たことがありますな。
「なめとこ山の熊」は、私は高校一年生の現代文で教材として何度か授業をしたことがあります。
最初の教材研究がえらく大変だったことを覚えています。
指導書だけではとてもじゃないけれど足りませんでした。
というのは、舞台は東北、主人公の小十郎は貧困階級の猟師、獲物は熊、時代は大正時代、周辺知識をいっぱい仕入れないと授業のデザインができなかったからです。
宮沢賢治が家業の質屋を嫌っていたのは有名な話ですが、当然そんな社会主義的な怒りも作品の中には出てきます。
また、仏教思想もちりばめてありますので、確認しておかないといけません。
インターネットにはすごくお世話になりました。
ネットが普及している時代で良かった・・・と思ったのは事実です。
とくに、仏教関係のことについては、国文学ではなく宗教関係のかたが多く論文を出されているようで、参考にしたところが多かったです。
作品としては、宮沢賢治の作品の多くがそうであるように、「なめとこ山の熊」も未完成なのか、推敲途中と思われるところが多い作品です。
教科書に採録するに当たっては、カットされた部分、矛盾はあるがスルーされている部分もあります。
つづく。