こんにちは。
T・たまもです。
今日ご紹介する本はルポルタージュ。作者はジャーナリストの先駆です。
ルイ・セバスチャン・メルシエ「十八世紀パリ生活誌 タブロー・ド・パリ(上)(下)」岩波書店
これは、抄訳です。
本当は十二巻あるのを、日本人向けによろしきもの、を抜粋しているのだそうです。
これでもか、とばかり革命前夜のフランスの様子(特に暗部)が描かれています。
匂いや音までしてきそうな、そしていかにも通人っぽい皮肉で粋な文章です。
税金を払わなくて良い貴族が贅沢に遊び暮らしているのに、税金が重くて庶民は苦しい生活をしてるから、革命が起きた・・・と、単純化された話を歴史で習いました。
が、どんなふうに税金が重いのでしょう、と不思議に思うところもあったわけですよ。
これを読んで積年の謎がすっきりした気がします。(今さらですが)
簡単に言えば、何にでも、それも二重三重に、税金がかけられていたのですね。
悪名高き人頭税を筆頭に、まるで現代の酒や車を彷彿します。
現代も、車買う時って消費税だ重量税だ登録料だっていっぱい取られるでしょう、万事そんな感じ。
たぶん、みんながワーキングプア状態。
あ、だからプロレタリアというのか。
パリに入るだけで、というより生きているだけで金を取られる。
空気税なんていうのもホントにあったらしい。
そして、貴族のところに税金が行くまでにもいろいろな段階でピンハネ(横領?)されていく。
それでも貴族は贅沢できたんだから、すごいお金が徴収されていたのね・・・。
そこが、現代とはちょっと違うところ?
現代は、とりあえず収入のある人は全員徴税されて、税金はすべて国(または自治体)にいったん吸い上げられてから、分配されますからね。(ですよね?)
奇跡の宮廷(乞食の社会)が一大勢力持つはずよねえ、と思ったことでした。
まともに働くより、お乞食さんのほうが、税金がない分稼げたのかもしれません。