こんにちは。
T・たまもです。
昨日の続き、シナリオ作成指導です。
トレーニングをしたあとは、作品として、まとまったシナリオを作成します。
もちろんこれは、上演を前提としたシナリオではありません。
ですから、場面設定や登場人物の数などに制限はなし。
といっても、原案は用意します。
全員が同じ原案でシナリオを作るというのも、面白いと思います。
私は、「学校の怪談」から、一人にひとつずつ、お話を与えました。
話を作るのが目的ではなく、シナリオを作るのが目的だったからです。
たとえば、
「だれもいないはずの夜中の学校で、体育館からバスケットボールをしている音がする」
という怪談であれば、登場人物と音の正体は自由に設定しシナリオを作ります。
怪談でなくなってもOK。
登場人物は何人でも良いとはいうものの書かき分けが大変なので、4~5人までにしておく方が無難でしょう。
生徒の作品のなかで印象に残っているのは、
「未来の話が書いてある新聞が届く」話です。
大方の生徒が原案に忠実に、話をふくらませている作品を作るなかで、その生徒はかなり大胆に話を脚色し、学校の怪談というよりも社会派のドラマになっていました。
おまけ。
上演を前提とした脚本の作成指導も、文化祭の劇で何度か、したことがあります。
高校生というのは、まあ私もそうでしたが、原作があれば
「会話に直すくらいなら出来る」
と思っちゃうのよね。
映画なんかなら、セリフの字幕が出るし。
しかし。
2時間の映画を1時間に切り詰め、
しかも舞台を作れるように場所や人数を設定し、
素人の役者でも覚えられるようにセリフを作る、
というのは実は結構難しい。
さらに、無名な作品だと、観客に、セリフを聴いただけで話がわかるようにしなくてはなりません。
完全なオリジナル作品も一度ありましたが、何度かやりとりをして推敲を重ね、テーマを表すセリフを通奏低音のように繰り返し登場させました。
作者はよくがんばったと思います。
ただ、練習するうちに役者たちが勝手に設定を変えてしまいました。
それだけが、作者側の人間としては残念でしたけどね。
文化祭については、またの機会に。