永遠の色男、といえば光源氏を思い浮かべる方も多いでしょう。
が、実在の人物で色男の名をほしいままにしたのが在原業平。
天皇の孫でありながら、藤原家の台頭に抵抗出来ず、血筋ほどの出世もせず。
その代わり六歌仙のひとり、美男子の「在五中将」として、文学史上に名を残した男。
と、いうことになっています。
「伊勢物語」は、歌物語。
歌物語はストーリーの中で、登場人物の思いが高まると歌が入ります。
そういう意味で歌が主役なので、イメージはミュージカル。
そう、本当に在原業平の実体験だとすると、時間的にも身分的にもいろいろ設定がおかしいだろう、というお話もたくさんあります。
でも、まあ、二枚目俳優がいろいろなパターンの恋愛ドラマに主演しているようなモノと考えれば良いのではないでしょうか。
おそらく、平安時代、伊勢物語を読んでいた少女たちもそんな感覚だったのではないかしら。
今回はその「伊勢物語」のなかの「筒井筒」を取りあげてみたいとおもいます。
つづく。