こんにちは。
T・たまもです。
8月ももう半ばですね。
今回は、戦争文学を取りあげましょう。
茨木のり子の詩「わたしが一番きれいだったとき」です。
「わたしが一番きれいだったとき」は、戦時中に女学生だった作者が、一番美しかるべき青春時代を戦争に踏みにじられた経験を詩にしたもの。
「女性が一番きれいな時っていつ?」
と、生徒たちにと聞くと、なんのサジェスチョンをしなくても
「10代後半」
「19歳くらい」
と、たいがい答えます。
その感覚は戦時中も現代もあまり変わらないのかもしれません。
もちろん、10代だろう70代だろうと、そのときそのとき美しいのだけれど。
わたしも、もう一度できるなら大学生時代をやりたい。
それはさておき、現役高校生からすると、自分たちの年代はまだ一人前と言えないという感覚が、20歳前という答をださせるのかもしれません。
まだ自分には何の力もなく、でも何にでも成れる可能性を持っているティーンエイジャー。
中・高校生が共感しやすい詩と言えるでしょう。
作者の茨木のり子さんは1926年生まれ。
19歳で終戦を迎えていますから、現代なら中学・高校時代を太平洋戦争で完全に染められたわけです。
もうひと世代上ならば、夫が戦争に取られたり、幼子を抱えて苦労したり、というまた別の苦難があったことでしょう。