T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

ナインと言われて、思い浮かべるのは・・・「ナイン」その1

 こんにちは。

 T・たまもです。

 今回は現代文、文学的文章です。

 井上ひさしの小説「ナイン」を取りあげてみたいと思います。

 高校1年生の小説教材としては定番ですね。

 第一に、回想の形式を取っているので、対比がしやすい教材です。

 第二に、リトルリーグの話なので、まず野球部員が反応します。

 「ナイン」といえば、「野球の先発メンバー9人のこと」と、野球部員は即答しますから。

 話が進むにつれて、青春な展開にクラス全体が反応します。

 そういう意味では、授業のしやすい小説です。

 作者の井上ひさしは、上智大学の出身。

 放送作家としては「ひょっこりひょうたん島」を手がけたことで知られています。

 小説も戯曲も多く書いています。

 が、現在は再演されることも多いので、劇作家としての方が有名かもしれませんね。

 この「ナイン」という作品は短編集「ナイン」の表題作。

 作者本人がよく知っている四ツ谷界隈(上智大学の所在地でもあり、放送局も周りにある)を舞台として、実在した店も登場します。

 リアル感に満ちているのは勝手知ったる街だからでしょう。