T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

八月なので、平和に関する教材について その4

  こんにちは。

 T・たまもです。

 昨日は投稿した気でいたら、なんと単に書き忘れていたという始末。

 忘れないように、なるべく同じような時間に投稿するようにしているのですが、ちょっと野暮用が入ったりすると、てきめんに忘れます。小学生か。

 

 さて、というわけで今日は昨日の分です。

 広島の原爆がテーマの教材についての続きです。

 「夏の花」は、広島を扱ったものですが、長さがちょうどよく、長崎に修学旅行の予定があるときも原爆についての事前学習として授業をしたことがあります。

 内容は手記の形式なので「黒い雨」同様、単調ではあるのですが、表現の巧みさと途中に詩が入るので授業のメリハリを付けることが可能でした。

 原爆資料館で「これ、国語で出てきたよね」と写真の前で生徒が話していたのを聞いて、なんだかほっとしたのを覚えています。

 作者である原民喜は、疎開で広島に来ているので、被爆自体は意外な災難だったのでしょうし、この作品の原型になる手記も、詩人と言うより記者のような、記録に徹している感じがあります。

 でも、彼は最愛の奥さん(最大の理解者であり支えであった夫人です)を亡くしていて、自分もいつ死んでもかまわないというようなニヒルな感覚を持っていたことも確かです。

 芸術家として、作家としての自分のなかにある、その虚無感と使命感をどう昇華させていったのかが作品を理解するポイントのひとつでしょう。

 続く。