T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

舞台ならではの脚本とは・・・ 戯曲 その2

 こんにちは。

 T・たまもです。

 昨日、高校生のとき、お芝居の台本を初めて書いた話をしました。

 私自身は当時、舞台の芝居の脚本も、テレビの脚本も。同じようなものだと無意識に思っていたんですね。

 「舞台ならではの脚本」

という意識が欠落していたのです。

 映画やテレビのように、あとで編集出来るものは、登場人物が多かろうが、舞台となる場所がいくつあろうが、時間はかかるでしょうが撮影することが出来ます。

 でも、舞台はそうはいきません。

 たとえば、東京駅とマンションの部屋と山の中が交互に出てくる場面だと、舞台ではそのたびにセットをし直さなくてはなりません。

 文化祭の劇では絶対無理。

 もちろん、お能みたいにセリフだけで「場所が変わったつもり」にすることも可能でしょうが、限界があります。

 というわけで、私がお芝居の脚本を書くときには

「場面転換をいかに少なくしてそれらしさを出すか」

が最初の条件となったのです。

 もっとも、その後上演した脚本は、一本しかありませんけどね。

 それは、舞台に最初から二つの場所を作っておき、役者がどちらにいるかで「今の場所」が決まる、そんな舞台の造りにしました。

 部屋の中だけで話が進むので、場所が変わっても、セリフだけで暗示し、部屋の造りはそのまま。

 演劇部の劇でしたが、部員が少ないこともあり、ストイックな内容にふさわしい舞台になったと思います。

 前置きが長くなりました。

 次回は実際の授業のお話をば。