こんにちは。
T・たまもです。
今日ご紹介する本はエッセイ。
アンソロジーになっています。
著者ご本人は
「動物に焦点をあて、俳句、短歌、詩をジャンルを越えて眺望しながら、動物たちがいかに日本の詩歌と美意識に大切な役割を果たしてきたかスケッチしたもの」
と書いています。
小池光「うたの動物記」日本経済新聞出版社
たとえば、季節ごと、植物ごと、場所ごとに、様々な詩歌を紹介した本はたくさんあります。
が、動物をテーマにした本は珍しいかも。
この、切り口のテーマが新鮮で、
「へー、こんな歌があるんだ」
と、感心したり、驚いたり。
植物や場所ならば情景にしかならなくても、動物ならば人間の行動と重ねられたり、対話が出来たり、より歌の内容がドラマチックになります。
あ、もちろん、動物の方はさほど人間を気にしてないと思うけど。
猫や犬のように人間と交流出来る動物はともかく、猛獣や虫は、作者自身のこころを投影するしかないですからね。
それでも、植物と違って動物自身の意志で行動しているので、そこに「人間くささ」を感じるのでしょう。
もちろん、人間の勝手な思い入れですけれど。
それを言ったら、どんな歌材でも同じこと。