こんにちは。
T・たまもです。
今日ご紹介するのはエッセイ。
恥ずかしながら、私はこの本をながらく山のガイドブックだと思いこんでいたんです。
いや、ガイドといえばガイドなんですけれど。
登山をする人たちのバイブル、みたいなものでしょう。
それこそ思い込み?
なので、登山なんて高尾山がいいとこのひ弱女子としては、スルーする対象でしたのよ。
が、この間ドラマ「山女日記」を見ていたら、主人公がその一節を暗唱する場面があって、
「あれ、これは思っていたのと違うのかもしれない・・・」
と、読んでみたというわけです。
著者の深田久弥さんは登山家作家として文壇に復帰(文壇から追放された事件もなかなか興味深い)し、この作品で読売文学賞を受賞している人なのでした。
考えてみれば、山は昔から信仰の対象でした。
修行の場でもあります。
したがって、猟師や森林行に携わる人はともかく、山登りそのものを目的とする人は、坊さんがほとんど。
たまに学者やお役人が加わるくらいだったのではないでしょうか。
スポーツとしての登山にも、哲学的な部分があるのかもしれません。
つまり、学生向き。
描写は格調高く、登山などしない私でも、一瞬やってみたくなるのは、教養と自然愛にあふれる筆力のおかげなのでしょう。