こんにちは。
T・たまもです。
今日ご紹介する本は久方ぶりに難しい本。
論文、になるのでしょうね。
教員になる人にはぜひ読んでおいて欲しいなあと思います。
松岡亮二「教育格差-階層・地域・学歴」筑摩書房
筆者は様々なデータから現状と問題点をあぶり出してゆきます。
私はグラフならなんとかいけるけど、数字の並んだ表はどうも苦手ですが、ホントにすごい。
「いつの時代にも、どこの国にも、教育格差がある」
というのは、現実でしょう。
「優秀」で「努力家」の遺伝子を持っている人々だから「高学歴」「高収入」になり、その子はやっぱり「優秀」で「努力家」なので、親と同じ道を行くという考えもあります。
ただ、能力というのは天才やその逆は少数で、おおかたが似たり寄ったりのもののはずです。
だとしたら、お金持ちの家に生まれた子供の大多数が大学に進学(=するだけの成績をとれる)、一方貧乏な家に生まれた子供の大多数が大学に進学しない(=するだけの成績を取れない)というのは、天与の能力差だけでは説明がつかないですよね。
いままで、色々なところで感じた疑問や仮説が証明されたような気がします。
たとえば、私の初任校はいわゆる底辺校でしたが、異動したとき驚いたことがあります。
異動した先の担任したクラス、保護者(代表)が全員父親だったのです。
それまでは半数が母親の名前でした。
それが底辺校と中堅校の大きな違いとして私の中にインプットされたのです。
保護者会に来る保護者の数も、倍以上。
進学校に勤める知人は、ほぼクラス全員の親が保護者会に来ると言っていました。
格差があるのは事実だけれど、保育園や小学校段階で意図的に埋めていかないと、社会の損失だよなあ、と思います。
具体的にはね、私はお小遣い帳指導と読書指導と体育指導と芸術指導が良いと思うのです。
数、文字、空間認知ですね。
そして、できれば他の学校との交流事業としてやるのがいいと思います。
世間には「違う世界に住む人がいる」と知るのも早いうちがいいと思うのですよ。
お互いを受容できるから。