T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

公共施設でエアコンがついてないのは、公園と・・・

 こんにちは。

 T・たまもです。

 今日はみちくさ。

 近ごろでは、学校にもずいぶん冷房が普及しました。

 昔は、よく

「公共施設でエアコンがついてないのは公園と学校くらいだ」

 なんて、自虐的に言っていたものですわ。

 夏休みがあるせいか、長らく放置されてきた学校のエアコン問題。

 最初に事務室と学校図書館に設置されました。

 行政職員は夏休みありませんからね。

 次にパソコンルーム(空調しないと機器が壊れるから)。

 音楽室(締め切って演奏するから)。

 職員室(生徒より学校にいる時間が長いから)。

 と広がっていきました。

 普通教室は最後。

 あしかけ30年くらいかかったのではないでしょうか。

 それも、職員室にエアコン設置してから10年以上間隔が空いて。

 熱中症で死人が出てからいっきに広がった気がします。

 信号も横断歩道もそうですが、死人が出ないと日本の行政はなかなか動いてくれません。

 ところで、普通教室になかなかエアコンがつかなかったころ、生徒たちの間では

「教室にエアコンがついたら夏休みがなくなる」

 という、まことしやかな噂が流れていました。

「先生、本当?」

 と聞かれて、顔を見合わせる教員たち。

 あ、生徒は職員室に涼みに来ているの。

「そりゃあ、夏休みの本来の理由は暑くて授業にならないから、だからね・・・」

「快適に授業が出来るなら、少なくとも今までより減るんじゃない?」

 職員室にエアコンがついたからばかりではありませんが、夏休み(に出勤しなくて良い日)が激減した教員は冗談半分本気半分で答えていたものです。

 さて、あんまり暑いので、教室のドアを外してしまった生徒たち。

 風が吹き抜けてなかなか快適だったのですが、期末テストを迎え、彼らは試練に直面しました。

「テストだからドアを元に戻して下さい」

「戻したら暑くてテストに集中できません」

 押し問答の末、ドアは外したままになったのですが・・・。

 そのとき、4クラスくらいがドアを外していたと思います。

 そのころの高校としては珍しく、英語のテストではリスニングがありました。

 教員がラジカセを持って各教室を回る、アナログなやり方。

 もう見当がおつきですね。

 ラジカセを持って回る教員が複数人いたために、ラジカセの音声が廊下でビミョーに輪唱して響きわたっていくのです。

「先生、廊下から別の部屋の音がいっぱい聞こえてきます」

「だからドアを戻しなさいって言ったでしょう。条件はみんな同じだ、置かれた環境でがんばれ」

 今なら問題になっていただろうなあ。