T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

お月様に供えるお菓子と言えば

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月餅

 こんにちは。

 T・たまもです。

 月餅は横浜重慶飯店製と決めている私ですが、写真は先日作った和月餅。

 中あんに和風の具を入れたもの。

 松の実と胡桃は中華菓子の定番ですが、白胡麻と干しあんず(ドライフルーツ)もよくありますね。

 これには大納言とうぐいす豆が入っているのが和風のキモです。

 あんこは、もはやつなぎでしかありません。

 月餅のごま油の匂いが苦手という方も、これは優しい味で気に入ると思います。

 なんで三角形に切ってあるかって?

 あんを見せるため!

 ではなく、食べやすいように切り分けているのです。

 昔、重慶飯店で直径20センチくらいある大きな月餅を見て、どうやって食べるのだろうと不思議に思っていましたわ。

 中国では中秋節に月餅を供え、皆で食べるとか。

 贈答品でもあるそうで、だとしたら確かに大きい方が見栄えがいいですものね。

 うーん、中国っぽい、と思うのは偏見でしょうか。

 今度作ってみたいのは、同じようなカステラっぽい生地で中がパイナップルあん、そう鳳梨酥

 鳳梨酥は、台湾のサニーヒルズやホテルオークラが有名ですが、どこで食べても美味しかったなあ。

 

ゴミの出ない家を作るには・・・ 読書の時間 「ゼロ・ウェイスト・ホーム」

 こんにちは。

 T・たまもです。

 今日ご紹介する本は・・・実用書?

 図書館の分類番号は590です。


ベア・ジョンソン「ゼロ・ウェイスト・ホーム」アノニマ・スタジオ KTC中央出版
 

 ここまではできないわ~と思う一方で、ここまでできるんだ~と思う私がいます。

 著者はすごくエネルギッシュ。

 まずは自分の家のなかを片付けるところから始まり、片付いた家にいかにゴミになるものを持ち込まないかという工夫が続きます。

 家に入ってきたものをゴミにしない工夫が、さらにその後に続くわけですが・・・まあ、たいがいの人は最初でくじけるよね。

 手に入れるのは、手放すよりパワーがいらないから。

 つまり、ミニマリストになるにはパワーが必要なんですよ。

 著者は、できることからできるところまですればいいし、ひとりひとりがそう行動すればじゅうぶん世の中は変わると確信していらっしゃる。

 翻訳者の服部雄一郎さんが言うように、「そんなことが可能なんだ」と気づく人が増える事が大切なのでしょう。

 

 考えてみると、個人の意識より企業の意識の法が改革は必要でしょう。

 そんなものだと消費者がおもっているのをいいことに、商品の廃棄部分については、企業は消費者に丸投げでしょ。

 ガムだって煙草だって缶ビールだって。

 缶なんかはリサイクルしてるけど、分別だって消費者任せ。

 煙草の吸い殻や噛み終わったガムなんか引き取ってくれる企業の話は聞いたことがない。

 以前、地域清掃をしていたとき。あまりに多い吸い殻に業を煮やして、「なんで煙草吸わない俺たちが吸い殻拾わなきゃいけないんだよ!」と生徒は怒っていましたっけ。

 

虎の威を借る狐 その2

  こんにちは。 

 T・たまもです。

 昨日の続きです。漢文の「虎の威を借る狐」を取り上げています。

慣用句としてもポピュラーなので、たいがいの生徒は言葉は知っています。

 一般的には、

「強いものの威光をかさにえばり散らす小人物を皮肉って言うときに用いる」表現。

 ジャイアンを味方にしたスネ夫みたいな感じ?

 「弱いものが知恵を使って保身する手柄話」とも取れるし、

「力はあるが知恵のないものをあざ笑う話」とも取れます。

 このお話は戦国時代、楚の国の宣王(せんおう)の下問に江乙(こういつ)という人がたとえ話で答えたものです。

「北方の国々は、我が国の昭奚恤(しょうけいじゅつ)将軍を恐れているという話だが本当か」という下問に対し、江乙は

「北方の国々(百獣)が本当に恐れているのは昭将軍(狐)ではなく宣王(虎)の力です」と答えたのです。

 うまいたとえですね。

 宣王を間抜け扱いしているようで「本当に強いのはあなた」と持ち上げ、昭奚恤を「悧巧というかずるがしこいというか?」と褒めているようで絶妙にけなしています。

 

 以前、漢文小話の指導資料として、4コマ漫画をいくつか書きました。

 内容への理解が深まるといいなと思ったからです。

 最初は3学期、3年生の授業がなくなったところで、一年生の授業がすごくゆとりができたんですね。

 で、通常の教材研究と授業計画の他に、そんなものを作ってみようという余裕もできたというわけです。

 その後、折を見てはいくつか作りました。

 やっぱりむかし(バブルの頃だから?)は余裕があったのだなあと思います。

 この「仮虎威」は、一番最初に描いたもの。

 原版がなくなってしまったので、教材ノートに保存してあった生徒に配布したプリントですが、鉛筆書きのうえ古いものなのでうまく映っていませんね。

 4コマ目の、いじける虎がけっこううまく描けたな~と自画自賛しておりました。

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仮虎威



虎の威を借る狐 その1

  こんにちは。

 T・たまもです。

 今日は、漢文を取り上げたいと思います。

 

 虎求百獣而食之、得狐。

 狐曰、「子無敢食我也。天帝使我長百獣。今子食我、是逆天帝命也。子以我為不信、吾為子先行。子随我後観。百獣之見我而敢不走乎。」

 虎以為然。故遂与之行。獣見之皆走。

 虎不知獣畏己而走也。

 以為、「畏狐也。」

 

 短いので、白文を書いてみました。

 この「借虎威」は、漢文の入門期に良く扱う教材です。

 お話もわかりやすいし(白文でもなんとなく何言っているのかわかりませんか)、キャラもたっているので、授業のしやすい教材と言えます。

 文法的にも、置き字があり、禁止、使役、反語の主要な語法が出てきて、問題も作りやすい。

 「借」の字は「仮」と書くテキストもあります。

 また、いちおう句読点やカギ括弧は入れましたが、これらも本来は訓点ですので、訓読の仕方によっては句読点の位置が違います。

 そういえば、予習として書き下し文を書いてくるように指示すると、ちゃんと教科書を見て自力でやればちゃんとできるものを、わざわざ参考書とかネットとかで教科書とはちがう訓読の書き下し文を書き写してくる生徒がかならずいましたっけ。

「現代語訳は参考にできるけど、書き下し文は教科書と違う訓読をしていることも多いから書き写すのは危険だよ」と注意するにも関わらず。

 

天界に咲くのは蓮だけではなくて

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彼岸花

 こんにちは。

 T・たまもです。

 

 今年は、ちょっと彼岸花が咲くのが遅かった気がします。

 名前通り、お彼岸の頃に咲くから彼岸花、だけど、私が住む地域では今年は彼岸が終わる頃に開花していました。

 彼岸花って、お墓の近くに咲いているイメージがあります。

 何でお墓の近くなんだろうと思っていたら、モグラやネズミに墓を荒らされないようにガードするために球根に毒性がある彼岸花を植えたんですって。

 なんだ、もっとおどろおどろしい理由を期待していたのに。

 と、一瞬思ったのは内緒です。

 

 アマリリスをもっとスレンダーにゴージャスにしたような、優美な姿は曼珠沙華梵語で天界の花)という名前にいかにもふさわしい。

白い彼岸花は黄色と赤の自然交配種と聞きましたが、こちらはさらに正統曼珠沙華、瑞兆に空から降る花にふさわしい。

きものに興味ありますか? 読書の時間 「時代考証家のきもの指南」

 こんにちは。

 T・たまもです。

 今日ご紹介する本は、実用書。


山田順子時代考証家のきもの指南」徳間書店

 

 ことし、上野の博物館で、「きもの展」がありました。

 コロナ騒ぎで開催が延期されましたが、ホント、開催されて良かった。

 予約制になったおかげで、とても余裕を持って見学できて、これからもこうして欲しいと密かに思ったのは私だけではないでしょう。

 鳥獣戯画展のときは、展示室に入るまで二時間待って、中でもみくちゃになって、やっと展示物の前まで出られたと思ったら「立ち止まらないで」とせかされ、マジで死ぬと思いました。

 あの日は、午後八時までの展示が十時頃まで延長されたのではなかったかしら。

 学芸員さんたちの顔が引きつっていましたよ。

 

 閑話休題、予習になるかなーと思って読んだのがこの本です。

 まあ、きもの関係の本はいろいろな方が出していらっしゃいます。

 が、だいたいが現代着物を着る上での知識としての歴史か、着付けの仕方がメインなので、トリビアにしかならないような話は、はしょられていることが多いのです。

 日本の歴史的な衣装の知識を得る本としては、八條忠基さんの「素晴らしい装束の世界」というとても良い本があります。

 ですが、これは一般のきものではありませんので、歴史や国文学に興味のある人ならともかく、あまり現代の和装の参考にはなりません。

 ということで、歴史から常識まで網羅しているこの本は、すごく勉強になりました。

 きものに興味のある方はぜひご一読ください。

印刷天国、プリント地獄 その2

 こんにちは。

 T・たまもです。

 昨日の続きです。

 

 学校で教員が作って印刷する最重要プリントは、定期考査の問です。

 私の担当科目は国語なので、枚数がどうしても多くなります。

 手書きの頃は3枚までと自主規制していましたが、ワープロがある現在は欲望の赴くままに作る事ができます。

 しかも、両面刷りにして、冊子にすればもう無敵です。

 数年前、当時の勤務校で、学校内で使う紙がすべて再生紙になりました。

「わーい、白くて綺麗!」

 それまで、ざら紙で印刷していた定期考査問題をすべて再生紙で印刷し、いつものように冊子にし、答案封筒にクラスごとに入れ、ロッカーにしまいました。

 

 試験当日。

 担当の教員が答案封筒を3センチごとにくぎられた特製棚に入れてゆきます。

 私の答案封筒が入っていません。

 ギョッとして周りを見ると、向かいの長机に積んであります。

 「どうしたの」

 「見れば分かるでしょ、入らないんですよ」

 これまでと同じ枚数なので気づかなかったけれど、再生紙を二つ折りにしているため、封筒がぶ厚くなっていたのでした。

 

 以後、机に積まれる答案封筒は私のものだけでなく次々と増えていきました。

 あの特製棚は、まだ使われているのかしら。

 

 パソコンが普及すれば、ペーパーレス社会になる、などと言ったのは誰でしょう。

 少なくとも学校では、プリント地獄は当分続くに違いありません。