こんにちは。
T・たまもです。
きのうのつづき、仏教思想について。今日は利他行。
利他行とは、文字通り他を利する行動が仏道修行になる、ということです。
究極の利他行が自己犠牲(菩薩行というそうな)ということになります。
お釈迦様が前世で、飢えた虎とか坊さんのために自分の身体を食糧として差し出したような。
そんなことができる魂を持っている者が輪廻の輪から抜け出すことができるのかもしれません。
「なめとこ山の熊」の作中では、約束を守って、小十郎の前に熊が死体となって現れます。
小十郎はそれが小十郎の生活を支えるための「自己犠牲」だということを悟り、手を合わせます。
「そんなことができるのは神様か仏様だよね、キリストとかお釈迦様とか」
と、授業で言うと、うなずく生徒は多いです。
「でも君たちの周りに、神様ではない自己犠牲のヒーローっていない?」
と、問いかけると・・・
???という顔をします。
「ほら、自分の身体を食糧として相手に与えるといえば・・・」
「アンパンマン!」
と誰かが答えます。
利他行とは仏様でなくてもできること、「自分の命の一部を誰かのために与える」ということなのだと納得する瞬間です。
大変な2020年でした。
どうぞ、皆さまご自愛なさって、良い年をお迎えください。