T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

サボった人は「1週間一人で掃除!」  掃除当番の話 その3

 こんにちは。 

 T・たまもです。

 お掃除当番の話を続けます。

 語り始めると、なんだかいろいろ書きたくなります。

 

 教室のふだんの掃除は、ここ何年かは、机も全部前に引いて終わり。

 翌朝、各自で元の場所に戻すという方法を取っていました。

 その方が、机全体が前寄りになって、後ろの机間巡視がしやすいのです。

 みんな、なるべく短い距離の移動だけで済ませようとするからでしょうね。


 ちなみに、4人体制にすると、欠席者がいるとやはり結構きついことになります。

 だから、学校自体を欠席するのはさておき、サボる人は滅多にいません。

 サボったと言っても、「当番自体を忘れていた」と言い訳することがほとんどでした。

 でも、その時には、理由もわからず、「そこにいない」には違いないので、

「あいつサボった!」

と他の生徒の怒りを買うのは必定です。

「サボった人、理由は問いません、一週間一人で掃除です」

と、宣言はしてありました。

「どうしても用があるときはどうしたらいいですか」

「代理を出してください」

というわけで、かしこい生徒は

「○○ちゃん、今日の当番代わって!」

と、ちゃんとトレードしていました。

 サボった人は「1週間一人で掃除!」

 サボりが出ると、掃除当番が一度なくなるので喜ぶ生徒。

 でも、私はいつものように監督しながら手伝います。

 むしろ、私の仕事が増えるのではっきり言って自縄自縛でした。

 でも、その子一人じゃかわいそうだから、と、ボランティアで手伝う生徒もいるのですよ。

 いろいろな意味で生徒の人徳がわかるのが掃除当番というものなのでした。

掃除当番の決め方は・・・? 掃除当番の話 その2

 こんにちは。

 T・たまもです。

 先週、掃除当番のお話を始めました。今日はその続きです。

 

 私の掃除当番の決め方をご紹介したいと思います。

 基本的には出席番号順で班分けしていました。

 曜日の当番なので、どの曜日の当番が良いか希望を取ったこともあります。

 自分で希望したのだから、言い訳は出来ません。

 が、出席番号順の方が管理はしやすいのはたしかです。

 最初のころはひとクラス48人の生徒で一週6日の登校日でしたので、48÷6=8人で1班を作り、月曜から土曜までを回していました。

 でも、おわかりと思いますが、教室と教室前の廊下を8人で掃除すると、全員がちゃんと働かなくても、掃除できるのですよ。

 だって、掃き掃除だけなんだもの。

 そして、8人を監督するのは教員にとってもかなりの高等技術を要します。

 体育の先生みたいに動き回る多数の人間を見ることに慣れていれば別でしょうが、国語の教員にとってはあちこち動き回る8人を見るのはきつい。

「あれ、あの子が見あたらない?」

 と思うと廊下から戻ってきたりします。

 掃除が始まったときと終わったときに全員いるか確認するなんて、時間がもったいなさ過ぎるでしょう。

(したこともあるけど、既に集合している生徒が「先生早くしようよ」と急かすのよ。気持ちはわかる)

 というわけで、ほどなく教室当番は4人体制にしました。

 「先生少なすぎるよ」

 とブーイングはありましたが、

「こんな狭いところ4人で充分!がんばれ!!」

 と叫ぶ私。

 そう、ふだんの掃除なんて、全員が真剣にやれば10分もあれば終わります。

 机は帰りの挨拶と同時に各自で引くので、あとはほうきで掃いて、机を元に戻して終了。

 黒板は日直の仕事なので、やりたい生徒がいない限りしない。

 あとはゴミを捨てに行くだけです。

 つづく。

「高嶺の花」といえば・・・?

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石楠花

 こんにちは。

 T・たまもです。

 桜が終わりそうだと思っていたら、シャクナゲがもう満開になっていました。

 今年は本当に花の咲くのが早いですね。

 写真は西洋シャクナゲと思われます。

 ツツジの花を集めて手鞠にしたような、ゴージャスにして愛らしい花です。

 もともとは山の険しい高いところに生える木だそうで、「高嶺の花」とはこの石楠花のことだったとか。

 園芸フリークの皆さまのおかげで現在街中で楽しめるというわけです。

 私はといえば、

「えーと、キョウチクトウじゃなくて何だっけ???」

 と、名前が思い出せないありさま。

 キョウチクトウは夏に咲く花ですが、共通点は毒がある植物だということだけです。

 石楠花はツツジの仲間。

 やれやれ。

怖い、だけじゃない。でもやっぱり怖い・・・ 読書の時間「日本怪奇小説傑作集」

 

 こんにちは。

 T・たまもです。

 今回紹介する本は、小説。

 アンソロジーです。


紀田順一郎東雅夫編「日本怪奇小説傑作集(1)~(3)」創元社

 

 怪奇小説、なんていうとB級ホラーと思ってしまいますが、やはり一流どころの作品は違います。

 怖い、だけじゃない。

 でもやっぱり怖い。

 分類するなら怪奇小説になってしまうよね、とは思います。

 人と、人でないものと、それぞれの思惑(人でないものの理屈は人とは違うから、思惑という表現は違うのかもしれない)が、絡み合い、よじれてゆがんでいく。

 人でないものにとっては、ゆがんでいるわけではないのかもしれません。

 だから怖いのだと思う。

 しかも、人でないもの、というのはちゃんと自分は異類であると自覚しているものばかりではありません。

 見かけは人であったり、自分は人であると思いこんでいたり、人が何かの拍子に人でなくなったりしたり、さまざま。

 人の方も、人でないものへの対し方はそれこそさまざま。

 文学者にとっては、一度は書いてみたい分野ではないでしょうか。

 もしくは、書いてみた結果、怪奇小説だったと言うこともありそうな気がします。

真面目な生徒だけがせっせと掃除をしている・・・? 掃除当番の話 その1

 こんにちは。 

 T・たまもです。

 今日は、お掃除当番の決め方について取りあげましょう。

 掃除当番。

 教員にとっては悩ましいシステムです。

 生徒だけに任せておくと、小学生ならチャンバラが始まるし、中学生なら逃げ出すヤツはいるし、高校生なら終わるころにしれっと現れるヤツもいる。

 え、小中高関係ない?

 まあ、要するに真面目な生徒だけがせっせと掃除をしているという、教員から見ると、というか真面目な生徒から見てもですが、きわめて不公平な事態が発生するわけです。

 人は易きに流れるので、どこかで公平さを保たないと真面目な生徒もばかばかしくなってきて、いい加減な掃除をするようになるというもの。

 そもそも掃除当番というのは、日本独特のシステムなのだそうで、外国では専門の業者や担当職員が校舎内の掃除をするところが多いそうな。

 私立の学校では日本でも掃除当番がないところも見聞きします。

 大学ではもちろん、掃除当番なんてなかった。

 

 でも、考えてみれば、日本も昔に比べれば生徒が掃除をする場所もずいぶん減った気がします。

 例えば、トイレ掃除。

 現在でも生徒が当番という学校もあるでしょうが、便器に手を突っ込んで磨くような本気の掃除はさせていないところも多いのではないでしょうか。

 少なくとも東京では。

 それから、ポリッシャーを使っての床のクリーニングとワックスがけ。

 私は自分が高校生のとき生徒がやった記憶があります。

 アホな男子生徒が大喜びでポリッシャーを使って、時々倒して先生に怒鳴られていましたっけ。

 あ、そうするとさすがにそのときは先生が監督していたのですね。

 あら、前提だけで長くなりました。

 来週につづく。

提出物の記録のページを作っておくと・・・

 こんにちは。

 T・たまもです。

 今日は、提出物チェックについてのお話をしましょう。

 どの教科でも、先生はえんま帳を持っています。

 出欠や提出物やテストなどの記録のページを作ると思います。

 HR担任も、HR専用のノートを作ります。

 日々の連絡事項や予定などを書きます。

 そこに、あると便利なのは、提出物の記録のページです。

 縦に生徒の名前、横に提出締め切りの日付と提出物の名前。

 保護者会の出欠票とか、遠足の参加確認書とか、個人面談の希望票とか。

 その他、進路希望調査とか、春休みに書く「新学年の抱負」とか、とにかくHRで集めるあらゆる提出物を記録しておきます。

 私は、締め切りまでに出した人は○で、遅れた人は日付を記録していました。

 一学期も終わる頃には、提出が遅れる生徒は固定しているのが歴然。

 なんとなくではなく記録されているわけですから、個別指導の際も生徒は言い訳ができません。


「明日持ってこなかったら取りに帰ってね」

「いつが締め切りですか」

「昨日です」

「・・・」

「明日でいいよ、って、私、譲歩しているんですよ?」

こんな会話をすると、翌日忘れるとすなおに取りに帰ります。


まあ、だからってみんなちゃんと出すようになるかというとそんなことはなくて、中には私とバトルをするのを選ぶ子もいます。

 取りに帰らないで部活に出て、事情を知られて顧問に叱り飛ばされる、なんてことも。

 教員とバトルしたって勝てないのにね。

 ただ、マークされている自覚はあるので、「出さない方がめんどくさいことになるから」出すように努力するようになったりはするわけです。

 というわけで、私のクラスは提出を踏み倒す生徒はいませんでした。

 ちょっとした自慢です。

秋に実った夏みかんを翌年の夏に収穫して・・・おやつの時間

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八朔羹

 こんにちは。

 T・たまもです。

 八朔といいながら、実際には甘夏みかんのゼリーです。

 ようするに中身を取り出しても大丈夫なくらいしっかりした外皮の柑橘類ならできるということですね。

 果肉がたっぷり、ゼリーでつないでいるというものなので、すごく食べやすく感じます。

 ジョウノウ膜(というそうだが、どういう字を書くのでしょう)や、筋を剥く必要がないからです。

 昔、山口県の萩に行ったとき、お屋敷町のあちこちに、夏みかんがたわわに実っていました。

 晩秋でしたから、収穫にはまだまだなんだよね~なんて思っていましたが。

 今回、ちょっと調べてみたら、秋に実った夏みかんを木成りで完熟させていくと、次の年の新しい実とともに実っているとか。

 だから、途切れることなく次世代につないでいるということで夏代々(なつだいだい)と呼ばれ、武家の屋敷に植えられたそうです。

 なるほど、柏の葉と同じなんですね。

 そして、鏡餅に橙(だいだい)というのはそういう意味だったのか、と、なにやら納得した次第。

 

 もうひとつ。

 以前の勤務校に夏みかんの木があって、年末に収穫して「酸っぱすぎる!」と言っていたのです。

 実は夏みかんは、夏(四月以降)まで待たないと、酸味は抜けないのだそうだ・・・。

 木成り出来ない寒さになるところなら、空気に触れさせないようにして冷暗所で追熟しなくてはいけないらしい。

 いやはや、もっと早く調べれば良かったわ。

 ちょっと待って、そうすると、夏みかんって、花が咲いてから食べるまでに一年以上かかるということですか。