T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

古典

おしてもダメなら、たたいてみる? 「推敲」その1

こんにちは。 T・たまもです。 今日は、漢文「推敲」をとりあげます。 賈島赴挙至京、騎驢賦詩、得「僧推月下門」之句。欲改推作敲。引手作推敲之勢、未決。不覚衝大尹韓愈。乃具言。愈曰、「敲字佳矣。」遂並轡論詩久之。 「推敲」の授業プリント 「唐詩紀…

伯楽がいない場合には・・・?「雑説」その2

こんにちは。 T・たまもです。 昨日の続きです。漢文の「雑説」についてです。 伯楽とは春秋戦国時代の人で孫陽のこと。 馬の鑑定眼に優れていたので、天馬の神仙星「伯楽」の名をもらったそうです。 転じて人間の才能や器量を見抜き、育てる人のことを伯楽…

それと知られぬ名馬は、逆に役立たずと思われて・・・「雑説」 その1

こんにちは。 T・たまもです。 今日は、先週に続いて漢文を取り上げます。 世有伯楽、然後有千里馬。千里馬常有、而伯楽不常有。故雖有名馬、祇辱於奴隷人之手、駢死於槽櫪之間、不以千里称也。馬之千里者、一食或尽粟一石。食馬者、不知其能千里而食也。是…

虎の威を借る狐 その2

こんにちは。 T・たまもです。 昨日の続きです。漢文の「虎の威を借る狐」を取り上げています。 慣用句としてもポピュラーなので、たいがいの生徒は言葉は知っています。 一般的には、 「強いものの威光をかさにえばり散らす小人物を皮肉って言うときに用い…

虎の威を借る狐 その1

こんにちは。 T・たまもです。 今日は、漢文を取り上げたいと思います。 虎求百獣而食之、得狐。 狐曰、「子無敢食我也。天帝使我長百獣。今子食我、是逆天帝命也。子以我為不信、吾為子先行。子随我後観。百獣之見我而敢不走乎。」 虎以為然。故遂与之行。…

妖怪の正体は、きっと・・・ 「徒然草・奥山に猫またといふものありて」その2

こんにちは。 T・たまもです。 昨日の続き、徒然草のなかの猫又の話です。 妖怪とか化け物、と今でこそ呼ばれるけれど、実はその昔は種族として実在していたのだといいます。 絶滅して、伝説にしか残っていないのですって。 つまり、巨大隕石の衝突で気候変…

妖怪界のアイドル?「徒然草・奥山に猫またといふものありて」その1

こんにちは。 T・たまもです。 徒然草(つれづれぐさ)といえば、三大随筆のひとつですね。 「三大随筆って知ってる?」 と水を向けると、二、三人の生徒がうれしそうに手を挙げることが多いです。 「枕草子と徒然草と方丈記」と、時代順に言えれば上出来。 で…

うわさ話は面白おかしくすれば良い? 「今昔物語集・検非違使忠明」その2

こんにちは。 T・たまもです。 昨日、「今昔物語集」のなかの「検非違使忠明」について書きました。 今日はその続きです。 主人公の忠明は京童たちに追いかけられて清水寺の舞台から飛び降りる羽目に陥ります。 清水寺は修学旅行などで、東京の高校生たちに…

いつの時代も変わらぬヤンキー? 「今昔物語集・検非違使忠明」その1

こんにちは。 T・たまもです。 今日は古典教材の中でも説話について書きたいと思います。 「今昔物語集」の中から、高校1年生の教材で授業をした「検非違使忠明」。 「宇治拾遺物語」、「古本説話集」にも同じ話が収録されています。 この短い文章の中にほ…

日本最古の文学といえば

こんにちは。 T・たまもです。 何を隠そう私の大学時代の専攻は上代文学だったりします。 卒論は万葉集の額田王だったし、古事記の研究サークルなんぞにも入っておりました。 こじき、って書いて変換しようとしたら、古事記は最後の候補でした。 フン、その…

むかし、むかし、あるところに

こんにちは。 T・たまもです。 今日は重陽の節句。 今日は古典のお話でもいたしましょう。 今の子どもたちは、ひょっとしたら保育園で紙芝居とかビデオとかで、さまざまな昔に、親しんでいるのでしょうか。 だといいなあと思います。 イソップとかグリムと…