T's Cafe

小さな私の体験が、もしかしたら大きなヒントになる・・・かもしれません。前は学校の先生、今は自適のご隠居とおしゃべりしましょ。

2020-01-01から1年間の記事一覧

瞳を開いて見るべきものは・・・ 読書の時間「二十四の瞳」

こんにちは。 T・たまもです。 今日ご紹介する本は、小説。 社会派です。 壺井栄「二十四の瞳」角川書店 誰もが題名は知っているといっても良い有名な作品ですね。 高峰秀子と田中裕子の映画があるほかに、テレビではアニメを含め8度も映像化されているそ…

「落とす」と起きることは 「落とす」で思い出したこと その2

こんにちは。 T・たまもです。 昨日の続きです。 学術会議の一件で、「落とす」というのが究極の目的だったとしたら、ということで、もうひとつ思い出したのが、最初の主任選考のこと。 東京都の教員は、現在、正規職員に限ると管理職以外は主幹教諭、主任…

「理由が言えない」のは 「落とす」で思い出したこと その1

こんにちは。 T・たまもです。 今日は、みちくさ。 スガ首相が、学術会議の時期メンバーを任命するのに推薦された中から6人はずして問題になってます。 さまざま政治的思惑が絡んでいるのでしょうから、そういう事情については専門家がいろいろ語っていらっ…

毛糸のままでは着用できないので

編んでみた こんにちは。 T・たまもです。 この夏、ニットカフェに行って、編み物をしました。 (minamiwa先生、お世話になりました。この写真をお礼がてらメールしたかったのに、アホな私はメルアドをなくしてしまいました。この場を借りてお礼と…

アンティークとおさがりの違いは・・・?  読書の時間「着物憑き」

こんにちは。 T・たまもです。 今日ご紹介する本は、エッセイ。 で、いいんだよね・・・? 実は小説だと思って読み始めて、3話目くらいで「あれ?」と気づいた私なのでした。 だって、ホントに怪談なんだもの。 著者はそういう体質らしく、さまざな体験があり…

乗っているろばの上で手を振り回したら・・・ 「推敲」その2

乗っているろばの上で手を振り回したら・・・交通事故が起きます。 こんにちは。 T・たまもです。 昨日の漢文「推敲」のつづきです。 自転車に乗りながら考えごとをして、両手を放してふりまわしているようなもの、と授業では説明をします。 すると、当然「危…

おしてもダメなら、たたいてみる? 「推敲」その1

こんにちは。 T・たまもです。 今日は、漢文「推敲」をとりあげます。 賈島赴挙至京、騎驢賦詩、得「僧推月下門」之句。欲改推作敲。引手作推敲之勢、未決。不覚衝大尹韓愈。乃具言。愈曰、「敲字佳矣。」遂並轡論詩久之。 「推敲」の授業プリント 「唐詩紀…

おやつの時間 呼び方で出身地がわかるお菓子と言えば・・・

太鼓焼き こんにちは。 T・たまもです。 すっかり初冬の雰囲気の今日この頃です。 ざっくりわけると、今川焼き・大判焼きは東日本の呼び方で、回転焼きは九州、太鼓焼きは関西に多い呼び方らしい。 今川は江戸の今川橋、または今川義元が語源とか。 大判は…

この世ならぬ者と約束を交わすときは・・・読書の時間「夜叉ヶ池」

こんにちは。 T・たまもです。 今日ご紹介する本は、戯曲。 泉鏡花「夜叉ヶ池」講談社 私、泉鏡花の愛読者なんです。 「婦系図」だけは、まだ読んでいません。 だって、それを読んだらもう終わりなんだもの。 もう少し先の楽しみにとってあるのです。 で、…

伯楽がいない場合には・・・?「雑説」その2

こんにちは。 T・たまもです。 昨日の続きです。漢文の「雑説」についてです。 伯楽とは春秋戦国時代の人で孫陽のこと。 馬の鑑定眼に優れていたので、天馬の神仙星「伯楽」の名をもらったそうです。 転じて人間の才能や器量を見抜き、育てる人のことを伯楽…

それと知られぬ名馬は、逆に役立たずと思われて・・・「雑説」 その1

こんにちは。 T・たまもです。 今日は、先週に続いて漢文を取り上げます。 世有伯楽、然後有千里馬。千里馬常有、而伯楽不常有。故雖有名馬、祇辱於奴隷人之手、駢死於槽櫪之間、不以千里称也。馬之千里者、一食或尽粟一石。食馬者、不知其能千里而食也。是…

お月様に供えるお菓子と言えば

月餅 こんにちは。 T・たまもです。 月餅は横浜重慶飯店製と決めている私ですが、写真は先日作った和月餅。 中あんに和風の具を入れたもの。 松の実と胡桃は中華菓子の定番ですが、白胡麻と干しあんず(ドライフルーツ)もよくありますね。 これには大納言…

ゴミの出ない家を作るには・・・ 読書の時間 「ゼロ・ウェイスト・ホーム」

こんにちは。 T・たまもです。 今日ご紹介する本は・・・実用書? 図書館の分類番号は590です。 ベア・ジョンソン「ゼロ・ウェイスト・ホーム」アノニマ・スタジオ KTC中央出版 ここまではできないわ~と思う一方で、ここまでできるんだ~と思う私がいます。 …

虎の威を借る狐 その2

こんにちは。 T・たまもです。 昨日の続きです。漢文の「虎の威を借る狐」を取り上げています。 慣用句としてもポピュラーなので、たいがいの生徒は言葉は知っています。 一般的には、 「強いものの威光をかさにえばり散らす小人物を皮肉って言うときに用い…

虎の威を借る狐 その1

こんにちは。 T・たまもです。 今日は、漢文を取り上げたいと思います。 虎求百獣而食之、得狐。 狐曰、「子無敢食我也。天帝使我長百獣。今子食我、是逆天帝命也。子以我為不信、吾為子先行。子随我後観。百獣之見我而敢不走乎。」 虎以為然。故遂与之行。…

天界に咲くのは蓮だけではなくて

彼岸花 こんにちは。 T・たまもです。 今年は、ちょっと彼岸花が咲くのが遅かった気がします。 名前通り、お彼岸の頃に咲くから彼岸花、だけど、私が住む地域では今年は彼岸が終わる頃に開花していました。 彼岸花って、お墓の近くに咲いているイメージがあ…

きものに興味ありますか? 読書の時間 「時代考証家のきもの指南」

こんにちは。 T・たまもです。 今日ご紹介する本は、実用書。 山田順子「時代考証家のきもの指南」徳間書店 ことし、上野の博物館で、「きもの展」がありました。 コロナ騒ぎで開催が延期されましたが、ホント、開催されて良かった。 予約制になったおかげ…

印刷天国、プリント地獄 その2

こんにちは。 T・たまもです。 昨日の続きです。 学校で教員が作って印刷する最重要プリントは、定期考査の問です。 私の担当科目は国語なので、枚数がどうしても多くなります。 手書きの頃は3枚までと自主規制していましたが、ワープロがある現在は欲望の…

印刷天国、プリント地獄 その1

こんにちは。 T・たまもです。 今日はみちくさ。 私が高校生の時、友人が言いました。 「ねえ、この学校、プリント多すぎない?」 授業課題、行事のお知らせ、アンケート、小テスト、生活指導の注意、毎日、何かしらのプリントが何枚も配られる。 まじめな…

おやつの時間 関東と関西でちがうお菓子と言えば

くず餅 こんにちは。 T・たまもです。 くず餅といえば、関東育ちの私は船橋屋を思い浮かべてしまいます。 が、関西ではくず餅、というのは文字通りくず粉を使ったお菓子のことだそうですね。 船橋屋のくず餅、というか、関東のくず餅は小麦粉のデンプンを発…

悪魔は心に棲んでいる・・・? 読書の時間 「蠅の王」

こんにちは。 T・たまもです。 今日ご紹介する本は小説。 ウィリアム・ゴールディング「蠅の王」新潮社 この、イギリス人の語り口のうまさというのは、なんなんでしょうね。 国民性なのでしょうか。 この本も、息をつかせぬ臨場感、緊迫感。 夏目漱石に言わせ…

妖怪の正体は、きっと・・・ 「徒然草・奥山に猫またといふものありて」その2

こんにちは。 T・たまもです。 昨日の続き、徒然草のなかの猫又の話です。 妖怪とか化け物、と今でこそ呼ばれるけれど、実はその昔は種族として実在していたのだといいます。 絶滅して、伝説にしか残っていないのですって。 つまり、巨大隕石の衝突で気候変…

妖怪界のアイドル?「徒然草・奥山に猫またといふものありて」その1

こんにちは。 T・たまもです。 徒然草(つれづれぐさ)といえば、三大随筆のひとつですね。 「三大随筆って知ってる?」 と水を向けると、二、三人の生徒がうれしそうに手を挙げることが多いです。 「枕草子と徒然草と方丈記」と、時代順に言えれば上出来。 で…

君の名は・・・

一文字 こんにちは。 T・たまもです。 このお菓子は、バターの入ったやわらかい生地で胡麻あんを包んでオーブンで焼いた和菓子です。 胡麻が表面に付いているでしょ。 お菓子って、中に入っているあんのヒントになるものを飾ることがい多いですね。 どうし…

読書の時間 「字を書く女 中年書道再入門」

こんにちは。 T・たまもです。 今日ご紹介する本はエッセイ。 酒井順子「字を書く女 中年書道再入門」芸術新聞社 酒井さんは、以前書道を習っていたし、再入門と言ったっていろはや永の字から書くわけではありません。 さすが書道雑誌のお膳立てで、オトナ…

うわさ話は面白おかしくすれば良い? 「今昔物語集・検非違使忠明」その2

こんにちは。 T・たまもです。 昨日、「今昔物語集」のなかの「検非違使忠明」について書きました。 今日はその続きです。 主人公の忠明は京童たちに追いかけられて清水寺の舞台から飛び降りる羽目に陥ります。 清水寺は修学旅行などで、東京の高校生たちに…

いつの時代も変わらぬヤンキー? 「今昔物語集・検非違使忠明」その1

こんにちは。 T・たまもです。 今日は古典教材の中でも説話について書きたいと思います。 「今昔物語集」の中から、高校1年生の教材で授業をした「検非違使忠明」。 「宇治拾遺物語」、「古本説話集」にも同じ話が収録されています。 この短い文章の中にほ…

お酒を使った菓子はいろいろありますが

酒まんじゅう こんにちは。 T・たまもです。 酒が入っているから酒まんじゅうと勝手に思っていましたが、本当は、酒種(原材料は米と麹と水)を発酵種として使うから酒まんじゅうだそうです。 生地自体を発酵させて膨らむ力にするわけですね。 今はベーキン…

読書の時間 「神さまに選ばれた動物図鑑」

こんにちは。 T・たまもです。 今日ご紹介する本は、図鑑。 「神さまに選ばれた動物図鑑」神宮館 先日、ただいま猫と狛犬のことを書いた際、 「そういえば、狐だうさぎだ牛だって、いろいろ神使っているよねえ」 と思っていたら、図書館でタイミング良く見…

日本最古の文学といえば

こんにちは。 T・たまもです。 何を隠そう私の大学時代の専攻は上代文学だったりします。 卒論は万葉集の額田王だったし、古事記の研究サークルなんぞにも入っておりました。 こじき、って書いて変換しようとしたら、古事記は最後の候補でした。 フン、その…